理系は建て増し住宅
前回 文系のためのIT能力 - yohn's blog の続き
友達から、「IT系だけじゃなくて理系全般に言えることで、統計学の勉強したときに同じような感じだった」という意見をもらいました。
なるほどね。文系でよくある退官間近の教授が基本書や入門書を書くっていうことが無いわけだ。
なので、いわゆる基礎や体系といったものが整理されていない。
理系の場合、新しいことをやることに意義があるのであって、既に発見されたようなことをわかりやすく整理するっていうのは学者の仕事ではないわけだ。
そもそも文系は、学問の対象が言語的表現を伴うので、それを整理するってことが研究と地続きになってるわけですね。
では、理系はどうなるのかというと各分野が新しいフロンティアを開拓しようとするので、建て増し住宅のような構造になってしまう。
いつまでも体系化されない。
特にITの分野なんかは、動けばそれで正解なわけで、物理法則の影響を受ける建築分野とかよりもっと基礎分野がないわけだ。
文字通りの建て増し住宅は、やりすぎると崩れるわけで、そこに構造設計とかの基礎的な分野が必要になるはずです。
ITはせいぜい処理が重くなる程度で済みます。
そこらへんがIT分野の勉強のやりにくいところで、中身がまったく理にかなっていなくても、動いてしまってそれが淘汰なり洗練されないことがあるわけです。
よく考えたら、OSのWindowsがスタンダードになってしまったというのもその辺が原因でしょうね。
で、何人かのプロにどうやって勉強すればいいか聞いてきました。
そうすると、やはりまず試行錯誤して手を動かすという方法がほとんどなのかなという印象でした。
私のように、勉強方法について疑問を持ちながらやってたっぽい人は、調べてできるようになったことをブログに書くということをやっていました。
まずやる→わからないところが出たら調べる→備忘録としてブログに書く、というループですね。
でもやはり、時間がかかるということをおっしゃってました。
どの分野も最初に基礎や体系を身につけて、そこから広げていくという方法が、一番効率的ではあります。
しかし、建て増し的な分野ではその「王道」の勉強法ができません。
そこが、IT系のハードルの高さであって、わからないところを置いておける人じゃないと難しいよなという印象です。
常にモヤっとしたものがあって、それが晴れることがなかなか無いわけですね。
そうしてみると、プログラマーの人の特徴がなんとなく理解できました。
文章やしゃべり方に独特のものがあります。
専門用語を相手が知ってるかどうか気にしなかったり、対処法だけを言うことが多いです。
こういうのって、プログラマー的な効率性のような気がしました。
わからないところは置いておいて、直せるところだけ直すというような思考のクセなのかなと思いました。
会話自体もプログラム的になってるのかもしれません。
私の場合は、すぐにこれは何をやろうとしてるのかとか、全体から見た位置づけとかに頭がいってしまうので、部分だけの整合性がとれてもなかなかモヤッとしたものは取れないわけです。
まあこれも思考のクセなので、悪く出ちゃうと目の前の問題を片づけずに、原理原則を論じたがるということになってしまいます。
どっちもどっちってことなんでしょうね・・・。